『Surfers Paradise GC.Vol.2』

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どうも最近の私のコラムやウラナミは硬い話が多くて恐縮ですが、1994年にサーフレジェンド社を立ち上げた時の理念に関係します。当時の波情報で、鎌倉〜湯河原までの50kmの海岸線を毎日朝と夕2回往復して合計4回のサーフチェックする中で、海やビーチの安全性を高めるビーチパトロールができると考えました。つまり、波情報で得た収入で、自分というライフガードを雇うと考えて起業したのです。1人で始めて生涯を終えるつもりでしたが、現在のサーフレジェンド社は36人もの大所帯になりました。未然に海難事故を防止するために、気象庁データのみならず、京都大学防災研究所と独自気象モデルを研究しつつ実用化しています。
 今年からサーフチェックするすべての専用車両に、普通救命講習会を受講したスタッフが乗車し、万一に備えたAED(除細動器)と救急箱を搭載しました。しかし、かつてのように、日々サーフレスキューができる体制が取れている訳ではありません。
一方で、17年前の湘南の海に比べると、夏以外に海を楽しむマリンスポーツ愛好家は、おそらく10倍以上に急増しているはずです。ゆえに、年間を通してビーチに常駐するライフガードの配置がとても重要であり、運命的な私へのミッションだと考えているのです。別にカッコをつけて言っている訳ではなく、実際にオーストラリアやハワイにおいて、ライフガードに必要な講習を受け、ライフガードらとの交流のある我々の世代に、マリンスポーツのメッカである湘南からライフガードを配置できなければ、日本の海の安全性は向上しないと思っています。逆に配置ができれば、その影響は日本全国に広がるはずだと確信しています。
GC滞在中の2日間は、松沢県知事らとライフガードの現状視察に終わらず、急きょ調印式にも出席する名誉にも恵まれました。
余談ですが、調印式でGCのクラーク市長から松沢知事へ渡された贈答品は、ハンドメイドのウッドサーフボードでした。出席の議員のひとりが、これはただの飾り物でサーフィンはできないだろうと大変失礼なことを言っていたのを小耳にはさんだので、私がきちんと補足説明をさせていただきました。ウッドのサーフボードは、ボトムにシングルコンケーブが入っている本格的なショートボードで、とても貴重かつ高価なものであることが伺えました。
ハンドメイドのウッドサーフボード
ハンドメイドのウッドサーフボード
調印式という大変光栄な経験をさせていただきましたが、ぶっちゃけ、GC滞在中のその他の時間はすべてサーフィン漬けでした。(笑) 正直に申し上げれば、知事・議員団が視察された当日でさえも、早朝と夕方には必ずスナッパーやバーレーヘッズでサーフィンしたのでした。つづく。

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