釣りにおいて、風や波の情報と同じくらい大切なのが「空模様」。
風やうねり、天気図だけでは読み切れない“海の空気感”は、空に浮かぶ雲の形や動きに現れていることがあります。
雲を読む力は、釣り人にとってとても重要です。
そしてときには、空を見上げて、心を落ち着かせてから海に入ることも大切。
そんな時間が、良い釣果につながるかもしれません。
すぐに実践できる、雲から天気の変化を読み取るための基本知識を、竹内気象予報士監修のもとご紹介!
竹内気象予報士

大学時代に気象学を専攻し、気象予報士の資格を取得。
サーフィンと釣りとバックカントリースノーボードがライフスタイルです。
雲でわかる!天気の兆しと注意点
巻雲(すじ雲)
当日の変化はありませんが、翌日に天気が崩れる傾向があります。
天候が悪化する前兆として、風向きが変わったり、風が強まったり、うねりが大きくなったりすることも。
巻積雲(うろこ雲)
一般的に天気が下り坂になる前兆とされており、半日くらいで天気が悪化する可能性があります。
低気圧が接近している場合が多く、空全体に広がり厚みを増してくる場合は、天候悪化の確率が高くなります。
オフショア→オンショアに変わる可能性も。
高層雲・乱層雲
雨がじわじわと近づいていることを示す、代表的な雲です。
日差しが弱まり、全体的に空が薄暗くなり視界が悪くなります。
日差しがない分気温が下がるため、晴れの時よりも一枚多めに着るなど、防寒対策が必要になります。
積雲(わた雲)
特徴:青空に浮かぶ、もこもこした綿菓子のような形の雲。雲の底は比較的平らで、上部はドーム状に盛り上がっています。
高気圧に覆われた安定した気圧配置の時に現れやすい雲。
天候が晴れて安定していると、日中には陸の気温が上昇し、海風が入りやすくなります。
朝は風が弱かったけど昼前ぐらいから海風が結構入ってくる、ということがよく起こります。
積乱雲(入道雲)
非常に激しい気象現象を引き起こす、最も危険な雲の一つ。
雷、スコール、突風、ヒョウが発生する恐れがあります。
積乱雲が迫ってきたら、即退避。
遠くの空に積乱雲が見えた場合でも、発達が非常に速いため、すぐに接近する可能性があります。
特に雷の音が聞こえたら、すぐに海から離れましょう。
レンズ雲
現れたら、付近では強風のサイン。
水面にさざ波が立ち、横から不規則な風波が入るため、特にボート釣り・磯釣りでは危険につながる可能性があります。
特に注意すべき雲
特に注意が必要なのが、積乱雲(雷雲)です。
突然もくもくとわき上がり、タワーのように縦に発達していきます。
さらに上空へと成長し、雲の上部が横に広がって「かなとこ型(鉄床状)」になっていたら、雷を伴う危険な雲であることが確定です。
海上では逃げ場がありません。雷の音が聞こえた時点で、すぐに海から上がりましょう。
3つの空の観察ポイント
\\ 雲の「高さ」と「厚み」を意識しよう//
高い雲(すじ雲)は予兆、低くて厚い雲は雨の前触れ
\\ 雲の「動く速さ・方向」を見よう //
地上の風と違っていたら、上空で風が変わっているサイン
\\ 雲の“変化の速さ”にも注目 //
積雲が急成長=積乱雲になる恐れあり
海に向かう前に「空を見る」習慣を
予報に頼るのも大事ですが、自分の目で空を読むことは、「今日のベストタイミングを見つける」「危険を避ける」ためにとても重要です。
雲は自然からのサイン。
天気図の知識がなくても、「あの雲はやばそう」「そろそろ崩れそうかも」と感じられる力は、経験と観察で身につきます。
空を見上げる習慣を、次のラウンドから始めてみませんか?