潮の動きと釣果について

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釣りをされる多くの方は知っていると思いますが、潮によって釣果が変わるといわれています。一般的に、潮の動いている時間帯は釣果が良く、流れがほとんど停止する満潮・干潮には、魚があまり釣れないことが多いとされています。

これは、魚のエサとなるプランクトンが潮流で流されるためです。

潮が動く

プランクトンが動く

プランクトンを食べる小型魚の活性が上がる

小魚を食べる大型魚の活性が上がる

となっているそうです。

「上げ3分下げ7分」というように、上げ潮(干潮から満潮になる潮)の潮位が3分目の時や、下げ潮(満潮から干潮になる潮)の潮位が7分目の時が良く釣れるといわれています。また、大きく潮の動く「大潮」の方が、潮の動きの小さい「小潮」よりも釣れるといわれています。

では、なぜ、大潮や小潮のように、潮の動きが異なるようになるのか。そもそも、なぜ潮が動くのか。

潮汐とは海面が周期的に昇降する現象で、主に月および太陽の引力の作用によって発生します。
月に引力による潮汐を「太陰潮」、太陽の引力による潮汐を「太陽潮」と呼びます。「太陽潮」の力は「太陰潮」の力の約半分となっています。このような潮汐を起こす力を「起潮力」と呼びます。

続いて「干満」の仕組みです。

月と地球は共通重心を中心としてほぼ円形の運動をしていますが、相互の引力と回転による遠心力は全体としてつり合っています。しかし、地球上の各地点では、月までの距離と方向がすこしずつ異なるために、引力と遠心力が完全なつり合いを保っていません。
月にもっとも近い所では引力が大きく、海水が月のほうへ引かれる。月と反対側のもっとも遠い所では、月の引力より遠心力が大きく、月と反対の方向へ押し出される(満潮)。
一方、「月にもっとも近い所」と「月と反対側のもっとも遠い所」の中間点では、起潮力が最も弱くなります (干潮)。

さらに「大潮」「小潮」についてです。

約半分の力とはいえ、太陽の引力による潮汐=「太陽潮」も干満に影響を与えます。
地球に対して月と太陽が直線上に重なる時(新月および満月の時)は、月と太陽による起潮力の方向が重なり、一日の満潮と干潮の潮位差が大きくなります。この時期が「大潮」となります。
一方、月と太陽が互いに直角方向にずれている時(上弦および下弦の月の時)は、起潮力の方向も直角にずれて、互いに力を打ち消す形となるため、満干潮の潮位差は最も小さくなります。この時期が「小潮」となります。

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(気象庁HPより)

このように、潮汐は地球・月・太陽の位置によって起きるため、潮汐定数というものを用いることによって予報することができます。(なお、あくまでも潮汐の「予報値」であり、気象条件等によって実際の潮汐とは異なることがあります。)

海快晴では、全ポイントで、はるか先までの潮汐を確認することができます。海快晴の潮汐表を上手に利用して、釣果を上げていただければと思います。

文責 株式会社サーフレジェンド 気象予報士・防災士 唐澤敏哉

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