竹内予報士が解説する海快晴「2種の風・波予報」の使い方

竹内予報士が解説

海快晴では、2種の風・波予報を搭載しています。
ここでは、2種類の風・波予報の使い方をご説明します。
アイキャッチ

2種とは?

独自予報と気象庁予報の2つを搭載しています。

独自予報は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の予報を元に、日本付近を詳細に計算した弊社独自の予報で、WRF(風)とSWAN(波)があります。
一方、気象庁予報は気象庁が予報に用いている数値予報モデルとなり、MSM(風)とCWM(波)があります。


なぜ2種の予報が必要なのか?

残念ながら100%当たる天気予報は存在しません。特に、予報期間が先になればなるほど予報のブレ(誤差)が大きくなってきます。
1つの予報だけを参考にすると、そういった予報のブレがわからず、外してしまうリスクも大きくなるのです。

そこで、予報を当てるためには複数の天気予報サイトを確認するということが重要になってきます。
しかし、複数の天気予報サイトを確認するのは時間がかかる作業であり、また確認しているサイトの予報モデルの精度そのものがわからなかったりと、一般の方では比較が難しいものです。

海快晴では、2種の予報が簡単に比較できるようになっているので、予報のブレが一目でわかるようになっています。
また、使用している2種の予報の精度も開示しており、比較をする際の参考にすることができます。


2種の予報の精度

使用している2種の予報の精度は以下のようになります。

モデルの精度

一般的に、格子間隔(メッシュ)が細かいほど地形の影響を計算することができ、予報精度が高くなります。
また、更新頻度が高いほど現実とのギャップが小さくなり、予報精度が高くなります。

WRF(独自予報の風)とMSM(気象庁予報の風)では、MSM(気象庁予報の風)の方が格子間隔が細かく更新頻度も高いので、予報の精度は高くなります。ただし、MSM(気象庁予報の風)も外すことがあるので、WRF(独自予報の風)との比較が重要になってきます。
なお、WRF(独自予報の風)は、MSM(気象庁予報の風)より少し風速が強めに出る傾向にあります。(瞬間風速に近い)

SWAN(独自予報の波)とCWM(気象庁予報の波)では、SWAN(独自予報の波)の方が風浪(風が吹いてできた先端の尖った波。いわゆる風波)を計算しやすくなっています。一方、CWM(気象庁予報の波)はうねり(丸みを帯びた波)を計算しやすくなっています。


2種の予報が同じ傾向の場合

以下は、2種の予報(風)が同じ傾向の場合です。
乖離なし

多少の風速の違いはありますが、0~2時くらいまでは西北西風が10m/sを超えて強く吹くものの、その後はやや落ち着きつつしばらく西~西南西風が続く予報となっており、傾向としては似ています。

モデルの違う2種の予報が同じ傾向を示しているということは、そのようになる確率が高いということになります。
1つの予報だけを見ていると、その予報通りになるかどうかがわかりませんが、2つの予報を比較することでその予報の当たりやすさが見えてきます。


2種の予報が異なる傾向の場合

以下は、2種の予報(風)が異なる傾向の場合です。

乖離あり

8時以降に南西~西南西風が強まる予報は共通ですが、0~5時にかけてはWRF(独自予報の風)は弱い北~北東風となっているものの、MSM(気象庁予報の風)は西南西風が5~6m/sと、風向や風速が大きく異なっています。
このような真逆の予報をしている場合は、予報のブレ要素が大きくなっていると言えます。

2種の予報が大きく異なる要因としては、例えば低気圧が近づいている状況などで、低気圧の通過するコースやスピードが予報モデルによって違いがある場合に起こります。
2種の予報が大きく異なる場合は、予報が定まりにくく、不安定な状態と言えます。
このような予報の際は、不安定な状態ということで、どちらの予報に転んでも良いように計画を立てておく、というのが重要になります。

以上のように、2種の予報を確認することで、予報のブレを考慮して計画を立てることができるようになります。
2種の予報はリスク回避の判断材料を与える転ばぬ先の杖なのです。

文責:竹内予報士

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