黒潮大蛇行が終息すると何が変わる?気象・釣り・海洋環境への3つの影響

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※写真:海上保安庁 黒潮流域の観測結果についてより



黒潮大蛇行とは?過去最長クラスの海流異変を振り返る


黒潮大蛇行の基本メカニズム

黒潮とは、日本の南海上を西から東へ流れる温かい海流で、気候や漁業に大きな影響を与えます。通常は紀伊半島沖をまっすぐ進む黒潮ですが、時折大きく蛇行する現象があり、これを「黒潮大蛇行」と呼びます。


なぜこれほど長期間続いたのか?

今回の黒潮大蛇行は2017年夏から続いており、過去最長クラスの継続期間となっています。蛇行を引き起こす要因は、反時計回りの冷水性の渦や黒潮流量の変動、太平洋上の偏西風や貿易風の強さ・位置などと言われていますが、詳しいメカニズムは完全には解明されていません。


これまでに及ぼした主な影響(釣果・天気・生態系)

黒潮大蛇行により、海水温が低下する場所、上昇する場所が発生し、釣れる魚種が大きく変わったり、潮流の不安定化により釣果が読みにくくなる状況が続きました。また、猛暑やゲリラ豪雨といった異常気象の原因の一つとも考えられています。




終息の兆しは本物か?最新観測データからわかること


海上保安庁の観測内容と分析結果

2024年以降、海上保安庁の測量船による観測で、黒潮の流れが徐々に本来のルートへと戻りつつある兆しが確認されました。黒潮が南から北へ再び勢いよく流れ始め、紀伊半島沖での蛇行が縮小しています。


終息の判断基準と現状の評価

終息の判断には、黒潮の中心軸が本州沿岸にどれだけ接近しているかや、蛇行ルートの縮小傾向などが用いられます。現在は明確な終息とまでは言えませんが、流路が徐々に正常化している状況です。


次の大蛇行発生はいつ?再発可能性もチェック

黒潮大蛇行は過去にも複数回発生しており、周期性があるとも言われています。今後も再発の可能性はゼロではなく、気象・海洋データの継続的な監視が重要です。




黒潮大蛇行の終息で起こる3つの変化


天気が安定しやすくなり、猛暑・豪雨が緩和?

黒潮の位置は大気の流れにも影響します。大蛇行が終息すれば、夏の高気圧の位置が安定し、猛暑日や局地的豪雨の発生がやや落ち着く可能性もあります。


潮流の変化により、釣れる魚種やポイントが変わる

黒潮が本来のルートに戻ることで、潮通しが良くなり、回遊魚が接岸しやすくなります。青物やカツオ類の釣果が回復したり、これまで敬遠されていたポイントが好釣場に変化する可能性もあります。


海水温と生態系への影響。黒潮の正常ルート復帰による期待

黒潮が戻ることで海水温が平年並みに近づき、サンゴやプランクトンなどの海洋生物にも安定した環境が提供されます。これにより、地域の漁業資源にも良い影響が期待されます。




変化を見逃さない!釣行判断に役立つツールと情報源


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