【新年のごあいさつ】

 波伝説・マリンウェザー海快晴のユーザーさま、そして関係者の皆さま、新年あけましておめでとうございます。

 昨年中は、弊社波情報・気象情報はもちろんのこと、創業20周年記念イベント『Back to the beach』では大変お世話になりました。改めて、弊社を代表して衷心より感謝御礼申し上げます。

 最新の報告によれば、京都大学と産学連携して研究開発を進めてきました海洋気象解析モデル「Wave Hunter」のベースともなる波浪予測システムが特許庁に特許承認されました。新春にふさわしい、誠にめでたいニュースであり、京都大学防災研究所の間瀬教授をはじめ、関係者の皆さまには重ねて御礼申し上げます。

 今年は、波伝説とマリンウェザー海快晴について、楽しみなサービス強化が図られますので、どうぞご期待ください。

 先日ふとしたことがきっかけで、日本人の平均寿命の変遷について調べてみました。2013年の世界保健機構(WHO)の発表によれば、日本は83歳でスイス、サンマリノとともに第1位だったことはニュースなどで報道されたとおりです。

 しかし、明治や大正時代では平均寿命はなんと40歳代であり、昭和の中頃になってようやく50歳を超えた程度でした。現代とは、食料、衛生、教育、医療技術の改善と発展が大きく寄与したことは言うまでもありませんが、もしも昭和20年代にタイムスリップしたら、今の自分の歳では鬼籍に入っていたかもしれない!?と思うと複雑な気分になりました。

 第二次世界大戦後の廃墟(はいきょ)から、日本人が気持ちを一つに弛(たゆ)まぬ努力を重ねて見事に復興したことは、世界中から称賛された奇跡に近い輝かしい成果であり、今に生きる私たちはその先人の功績に深く感謝しなければなりません。そのうえで、平均寿命の世界最高レベルを維持していることは本当に素晴らしいことです。

 足るを知る、という言葉は、こうした今の時代に相応しい言葉だと思います。

 人は、贅沢(ぜいたく)にはすぐに慣れてしまいますが、謙虚にはなりづらいものです。

 世界のサーフポイントをトリップしていると、日本の当たり前を再評価させられます。

 ウォシュレットを含む高い衛生環境、どこでも安心して飲める上水道と下水道整備、数分遅れただけで謝る鉄道、滅多に止まらない電気やガス、街ではどこでもつながるインターネット、全国を網羅する高速道路などの社会インフラ、そのうえで『お待たせしました』と言われても全然待たない牛丼屋さん、美味しい食事と豊富な食材、ほぼ皆無な民族・宗教問題、大震災にあってもきちんと列に並び暴動のない道徳心の高い国民、そして世界最高レベルの治安の良さなどなど、サーフトリップ先と比較してしまうと日ごろの日本の常識はとてもありがたく、また誇りに思わざるを得ないのです。

 そうした日本ではありますが、喫緊(きっきん)の課題は災害に強い国づくりではないでしょうか。もしかしたら、21世紀は何度かの大災害と付き合わねばならない大変な世紀になるかもしれません。4つのプレートが国土に影響を及ぼす日本列島において、今後のハード面の防災対策とメンテナンスは必要不可欠ですが、国民とくに子どもたちへの防災教育こそ、いま強く求められていると思います。

 今春までに「Wave Hunter」の計算領域は、沖縄県全域、台湾、福建省以北の中国まで拡大される見込みです。すでに域内の韓国などを含めて、近いうちに高精細な気象情報の提供をグローバルに広げる予定です。

 また、京都、鳥取大学の先生方と弊社の研究者とで、高潮予測の実用化への研究を進めています。それらの海洋気象研究を高めるために、来春4年制大学を卒業見込又は大学院修士・博士課程を修了見込の学生に対して創業初の新人募集を始めます。

 各大学の研究者の皆さまとともに、日本のみならず周辺国、いずれは世界の防災対策を高めるために、さらなる高潮・高波・暴風なども含めた高精細な気象情報の研究と情報提供を目指すことを新年の誓いとさせて頂きます。

 本年中の皆さまのご多幸とご健勝を祈願しつつ、本年も倍旧のご指導とご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2014年 元旦

 株式会社 サーフレジェンド

 代表取締役 加 藤 道 夫

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