「デイゴ」と「台風」

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THE BOOMの「島唄」の歌詞冒頭はご存じでしょうか? 著作権の問題があるので直接は書けませんが「デイゴの花が咲く」「風が吹く」「嵐がくる」といった内容です。

デイゴは、漢字で書くと「梯梧」で、マメ科の落葉高木。春から初夏にかけて咲く赤い花が知られており、インドやマレー半島が原産で日本では沖縄県が北限とされています。沖縄の県花ともなっています。

このデイゴですが、沖縄ではある言い伝えがあります。昔から「デイゴが見事に咲くと、その年は台風の当たり年で、天災に見舞われる」と言われています。THE BOOMの「島唄」の冒頭は、まさにこのことを歌っています。

自分が知る限りでは科学的根拠は分かりませんが、沖縄のオジィー(おじいさん)・オバァー(おばあさん)が語り継いでいることなので、統計的にはある程度の相関があるのではないでしょうか。

そんなデイゴですが、今年は暖冬の影響もあったためか、満開で、満開になる時期も早かったそうです。ということは、今年は台風が多くなるのかもしれません。このコラムを書いている時点では、台風の発生数はまだ2個と平年よりも少ないのですが(平年だと7月一杯までだと7.7個)、台風の発生域である太平洋西部熱帯域(沖縄南海上~フィリピン付近)の海面水温は平年よりも1~2℃くらい高い予想になっており、今後熱帯性低気圧の発生・発達の可能性を秘めています。
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海面水温予想図 (7月31日) 気象庁HPより

サーファーにとっては台風からのうねりは何よりも待ち遠しいでしょう。ただし、多くの方にとっては接近・上陸に伴い海・陸ともに大きな被害が発生するので、あまり喜べないことでしょう。(台風の接近・上陸が少ないために水不足になってしまう、ということもあるので、一概に台風が接近・上陸しない方が良いとは言い切れません……。)

海快晴の台風情報・数値予報などをしっかりと確認し、事故のないように早めの防災対策をするようにしてください。特に、今年は新型コロナとの共存が求められており、避難所でも3密を避けなければなりません。公共の避難場所以外にも、親戚や知り合いの家などで避難できる所を確認しておくようにしましょう。

文責 株式会社サーフレジェンド 気象予報士・防災士 唐澤敏哉

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