神奈川県内の海難事故の連絡先について

連休のシルバーウィーク前半にかけて、非常に強い勢力の台風14号が、本州とくに関東に向けて北上してくる予想です。すでに湘南の一部の場所には頭半のクローズセットが入り始めています。現時点(9/18)の予想では、20日(日)の未明に関東へ最も接近する可能性もあり、その後は三陸沖を北上しそうです。詳しくは最新の概況を参考にして下さい。

なお台風の接近前後には、波のサイズが頭半からトリプルと、突然倍の大きさになったり、風向が180度変わって強まったりと、急変して事故につながるとても危険な要素を秘めています。くれぐれもシルバーウィークを悲しい思い出にしないために、最新の気象情報・概況の入手はもちろんのこと、無茶・無謀な行動は控え、安全を確保して自分のレベルにあったコンディションで楽しむようにしましょう。いくら荒れ狂う海でも、いずれは必ず落ち着きます。

さて皆さんは、海で海難事故を目撃したり、サーファーが流されたり、行方不明になった場合に、救助を求める緊急通報はどこに電話しますか?
118番(海上保安部)、119番(消防)、110番(警察)、どこですか?
今週水曜日(9/16)に、弊社オフィスの隣の特定非営利法人神奈川県ライフセービング連盟に、横浜市安全管理(消防)局横浜ヘリポートの職員の方がお見えになりました。

要件は、神奈川県内のライフセーバーの皆さんを始め、サーフィング、ヨット、釣りなどのマリンスポーツ、マリンレジャーを楽しまれている皆さんにおいて、今後は神奈川県下の海で、もしも海難事故などが発生した場合には、ぜひ消防(119番)にも通報してほしいとの依頼でした。

現在県下のヘリコプターは、消防用に横浜市と川崎市が2機ずつ、神奈川県警が4機、県が広報用に1機を配備しているそうです。川崎市を除いて、いずれのヘリコプターも横浜ヘリポート(横浜市金沢区八景島の近く)に配備されています。このため、鎌倉や藤沢周辺でマリンレジャー等の海難事故が発生した場合には、通報後に救助に向かうヘリコプターが横浜ヘリポートを離陸してから、わずか10分くらいで現場に到着できるそうです。よって結果的に間違った通報でも構わないので、人命救助につながる早めの捜索、救助に結びつく緊急通報を、ぜひ119番にもして欲しいということでした。

海上保安部は、マリンレジャーの盛んなシーズン中は江の島沖に、ヘリコプターが搭載されている巡視船を配備していますので、こちらの方が早く現場に到着することが可能です。ただし、大きな事故や警備行動がある時には不在となり、通常は羽田の特別救難隊(特救隊)基地からの出動になって、現場到着まで20分位かかります。また消防は、基本的に有視界飛行を前提の午前8時半〜午後5時15分の出動時間に対して、海上保安部は24時間体制です。

もしも、神奈川県下でマリンレジャーを含む海難事故が発生した場合には、今後は118番に加えて、ぜひ119番も気軽に連絡されることをお勧めします。今回は、横浜消防と県下沿岸自治体の消防とが協定を結んだために、このような出動が可能となりましたが、ぜひ日本全国の消防ヘリにおいても同様の協定を結んで、県民のみならず、行政単位を超えた国民を守る体制を築いてほしいものです。

最後に、荒天時には、水上からのサーフボードレスキューやマリンジェットなどによるレスキューは、二重事故を含む大変危険なリスクを抱えます。空から波の影響を受けないヘリコプターレスキューは、迅速であるばかりか、安全に救助できることが可能です。場合によっては、そのままヘリポートを備える病院に急行できます。(なお人は救助しますが、サーフボードなどは風に舞って危険なため引き上げられません)

海上保安部、消防、警察の各ヘリコプターは、所属に関係なく、航空無線で相互に交信が可能なので、出動した実際の現場では、捜索範囲を分担するなど協力して救助活動をしているそうです。

文責:(株)サーフレジェンド 代表取締役 加藤


最近の記事

関連する記事