複雑な動きをする台風について

台風進路予想図 2017年7月25日午前9時発表

台風進路予想図 2017年7月25日午前9時発表

台風5号が複雑な動きをしており、今後も進路予報が難しくなっています。

このような動きをする台風を、かつては迷走台風(めいそうたいふう)と呼んでいましたが、気象庁は「台風が迷走しているわけではない」ので、「複雑な動きをする台風」と言い換えるように指導されています。

通常、台風は高気圧の辺縁を吹く風や偏西風によって進みます。ただし、夏は太平洋高気圧に覆われて偏西風も弱いため、台風の動きが遅くなることがあります。また、2つ以上の台風が近くに存在する場合、それらが干渉して通常とは異なる進路をとる現象(専門用語で『藤原の効果』といいます) がおきることがあります。

『藤原の効果』によって太平洋を南下や、同じ場所に停滞するなどの複雑な進路をとることがあり、台風は進路予想が困難となります。予報に反した進路を取りやすく、日本列島を奇襲する形で接近・上陸したケースもあるので、台風情報をこまめに確認することが重要となります。

文責 気象予報士 唐澤敏哉

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