【海快晴気象講座】波浪注意報・警報とは?海を楽しむすべての人が知っておくべき基礎知識

2025年5月21日 14_49_03

海に出る釣り人、サーファー、マリンスポーツ愛好者にとって「波浪注意報・警報」は非常に重要な情報です。

波の高さが危険なレベルに達すると、気象庁から波浪注意報、または警報が発表されます。

この記事では、波浪注意報・警報の基本情報から、発表の基準、発生原因、発表された際の行動までをわかりやすく解説します。


波浪注意報・警報とは

波浪注意報とは、「高波による遭難や沿岸施設の被害など、災害が発生するおそれがある」と気象庁が判断した場合に発表されるものです。

船の転覆や沿岸の人(釣り人など)・施設が流される事故を防ぐ目的で発表されます。


また、波浪警報は、 「高波による遭難や沿岸施設の被害など、重大な災害が発生するおそれがある」ときに発表されます。

警報が発表される場合は重大な災害が予見される時なので、釣りをしている場合ではないことがほとんどとなります。

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発表の基準(目安)

波浪注意報や警報は、地域ごとの気象特性に応じて発表されますが、一般的な波の高さの目安は以下の通りです。

注意報・警報の種類 波の高さ(目安)
波浪注意報 2.5メートル以上(東京湾や大阪湾などの内海では1.5m以上)
波浪警報 3〜5メートル以上



※地域や地形によって基準は異なります。


波浪の主な原因

波浪は、主に以下のような気象条件で発生・悪化します。

  • 低気圧や前線の接近や通過による強風
  • 特に、発達した低気圧や強い季節風(冬の日本海側など)
  • 台風など、遠方で発生したうねりが沿岸に到達するケースも


波浪注意報・警報が出たらどう行動すべきか?

「海岸での活動」と「海上での活動」にわけて記載します。

海岸での活動

区分 注意すべき事
波浪注意報 ・防波堤や岩場が波をかぶる可能性あり

・海岸散歩や磯遊びは控える

・SUPなどのマリンレジャーは危険

・観光客や子どもが波に近づかないよう注意喚起
  
波浪警報 ・命に関わる高波が想定される

・防波堤や海沿い道路で越波・冠水の被害の可能性

・海岸への立ち入りは原則禁止
  


海上での活動

区分 注意すべき事
波浪注意報 ・小型船舶の出航は見合わせ推奨

・波による転覆や船体損傷のリスク

・港湾内でも係留ロープの確認が必要

・定期航路などでダイヤの乱れの可能性
  
波浪警報 ・すべての船舶は航行を控えるべきレベル

・大型船でも操船困難になる恐れ

・錨泊中の船も流されたり座礁する危険

・沿岸漁業は完全中止、港へ避難済みであることが原則
  

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波浪注意報・警報と高潮注意報・警報の違い

似たような注意報・警報に「高潮注意報・警報」がありますが、意味と原因は異なります。

種類 主な原因 主な影響
波浪注意報・警報 強風や暴風 波による転覆、堤防越波など
高潮注意報・警報 台風や低気圧による気圧低下と風 海面上昇による浸水など


波浪注意報・警報を確認するには

波浪注意報・警報は、気象庁の公式発表に基づいて、海快晴でも随時最新情報を掲載しています。
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海に出る前には必ずチェックし、安全を最優先に行動しましょう。


まとめ

波浪注意報・警報は、海を楽しむ人にとって“危険のサイン”とも言える大切な情報です。
海の魅力と同じように、自然の厳しさも理解しておくことが、楽しく安全なマリンライフへの第一歩です。
今後も海快晴では、皆さまの安全に役立つ情報をお届けしてまいります。

監修:竹内予報士

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