サーフレジェンド代表☆加藤が、横浜海の公園砂浜の開設担当として、10年間潮干狩りの管理業務に携わった経験から、潮干狩りの得々アドバイスをお届けします。
1.潮見表を読む
1.潮見表を読む
月・太陽と地球との引力の関係で、一日に2回干潮・満潮があります(長潮の時には1日1回)。
日中の干潮時で、特に潮が大きく動く(日中に大きく潮が引く)春の潮干狩りシーズンは、大潮回りの干潮時前後を狙うのが基本です。その時に一番大事になるのが、干潮時の潮高(ちょうこう)、つまり潮の高さです。
普段は海底2~5cmくらいの深さの中で生息しているあさりですが、大きく潮が引いて、その海底が姿をみせるので潮干狩りが可能になります。
その時に、潮の引き加減がとても大切になります。潮見表を良く見ると、大潮・中潮・小潮・長潮・若潮などの表現がありますが、概ねひと月に2回転、この潮回りが繰り返され、大潮の4~5日間とその前後の中潮の数日間が潮干狩りに適した期間になります。つまりいつも潮干狩りが出来るとは限りません。4~5月のメインシーズンでも、大体15日間のみで、半月は潮が多くて適しません。
潮見表には、潮回りの時刻の右側に潮高という数字が入っています。たまに入っていない潮見表を見かけますが、これはまったく意味がありません。というのは、年間の潮回りを見れば、大潮の干潮時よりも中潮や小潮の時の方が潮高の低い時さえ(逆も)多々あります。冬は、大潮だからといって日中の潮はあまり引かず(しかし夜の干潮はかなり引きます)、むしろ朝夕の小潮回りの干潮時の時の方が潮高は低いのです。
潮高とは、最低基準水面という船舶の安全航行のために決められた海図に掲載される水深を基準として、その水深からの高さをcmで表わしたものです。数字の前にマイナス表示が付けば、最低基準水面よりも低くなることを意味し、そうした日の干潮時はかなり潮が引くので、潮干狩り客で場荒れしていない沖に生息する大あさりを採る絶好の潮干狩り日になるので、特にお勧めです。これからの潮干狩りは、大潮ではなく、必ず潮高で判断するようにしましょう。
潮高ができればマイナスの高さ、最低でも10cm未満の日を選びましょう。
なお、よく潮干狩りのガイドブックなどでは、干潮前後2時間がベストタイムというアドバイスがありますが、潮高がマイナスや数cmの時には、素人でも1時間あれば数kg採ることも難しくありません。また中腰で4時間も採っていたら、私ならば翌日は腰痛で動けなくなってしまいます。(笑)
干潮時の2時間前くらいに現地に着いて、ゆとりをもって1時間前から掘れば、洗面器一杯位のあさりを1時間程度で採ることは難しくありません。なお、あさりはむき身にすれば冷凍保存は可能ですが、素人がむき身包丁を使ってむくのは熟練が伴い簡単ではありません。よって、ご近所さんに配るにしても、洗面器一杯あれば十分な量です。次の人のためにも採り過ぎないようにしましょう。また1.5cm以下のあさりは、身が小さくダシもあまり出ないので採らずにリリースしましょう。有料の潮干狩り場では、網の入れ物による制限があるので問題はありませんが…
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2.潮回り以外で、どうしたら多くあさりを採れますか?
毎年問合せを一番多く受けるのが、この質問です。基本的に腕次第です。(笑)
ただし、あさりは、巣と言われる位に固まって生息する習性があります。また、夫婦ペアでいることは多いので、一つ親のあさりが採れたら、その近くを探してみてください。潮干狩りのベテランらは、あさりの巣を見つけて採りますが、素人には簡単にあさりの巣を見つけられません。
地元のおばあちゃんを探そう!!
地元のおばちゃんこそ潮干狩りのエキスパートです。その近くで採らせて頂き、あさりの巣で効率的に採りましょう。地元のおばあちゃんの見分け方ですが、おばあちゃんの地元風の姿!? とあさりの採れている量を見れば、誰にでも簡単に分かります。(笑)邪魔して怒られないように、挨拶してから近くを掘らせていただきましょう。
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3.有料か無料
漁業権のある海で稚貝を巻いている潮干狩り場では、開催期間と時間、あさりの取得制限、料金など、各々に決められています。最近では、ウェブサイトのある潮干狩り場もありますので、検索で探してみてください。
一方、横浜海の公園やその隣の野島海岸などでは、公園管理者によるあさりの取得制限、熊手など使える道具の制限があるほかは、誰でも無料で自由に潮干狩りが楽しめます。
なお有料の潮干狩り場は、毎日潮干狩り客が帰った後に、次の日のためにあさりを巻いています。だから、潮が大きく引かない日でも、お土産分位は採れます。一方、無料で潮干狩りのできる場所では、取り尽くされたら、基本的には終わりです。まだ肌寒いシーズン始めの3月の潮の低い日を選ぶか、4~5月でマイナスcmなど、特に潮の低い日を狙うのがお薦めです。
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4.寒い!
3月中旬~5月の一般的な潮干狩りシーズンは、気温は高くなってきているものの、まだ水温は低く、曇り空では結構寒い時が多々あります。海快晴で、天気のみならず気温を調べて、なおかつ海から吹く風か、陸から吹く風かで風の冷たさが違いますので、海快晴の風向と強さの確認をすると良いでしょう。
高気圧に覆われて天気が良くて無風ならば、最高の潮干狩日和になるはずです。なお、海から吹く風の時は、気温よりも低い海水温の影響を受けて冷たくなりがちです。
基本的には、ウィンドブレイカーなどの防寒着を用意しつつ、体温調整を図ることをお勧めします。
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5.子どもよりも大人が夢中に!
海の公園で、大潮回りのゴールデンウィークで、迷子を扱った最高記録は300名オーバーです。これはわずか4時間くらいの数字です。その日は、監視所が幼児数十名がいる託児所のようになってしまい、途中でカウントを諦めてしまいました。(笑)
潮干狩りを始めて最初は、子どもが簡単に採れるあさりに夢中になります。しかし、潮が引いて大型のあさりがじゃんじゃん採れるようになると、親や大人が夢中になってしまいます。
なぜならば、普段スーパーで300円前後で売られているあさり1パック分が、ほんの数分で採れてしまうので、子どもそっちのけで必ず大人が夢中になります。繰り返します。必ずです!! (笑)
そして、潮が満ちてきて子どもがお尻を濡らしてしまうのは仕方ありませんが、大人も必ずお尻や長袖の端を海水で濡らしてしまいます。(笑)
潮干狩りに慣れていない方は、家族全員分の着替えをご持参ください。
最後にお父さんお母さんにお願いです。潮干狩りの目的は、お子さんへのサービスだったはずです。迷子になって子どもを泣かすことのないように、必ずどちらかが子守りをするようにして十分に注意してください。
また、万一迷子になっても、直ぐに呼び出しができるように、名札を胸に付けておくことを”マジ”でお勧めします。初めて迷子になると、その心細さからギャーギャーと泣いて、名前を言えない子は意外と多いものです。決して私の顔が怖いわけではないですよ。
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6.ベストな砂の吐かせ方
あさりを一杯採っても殻の中に入っている砂を吐かせないと、砂を噛んでジャリっとなってしまいます。
空のペットボトルを数本持参しましょう。
あさりが含んでいる砂を短時間に吐かせるには、あさりが生息していた処の海水で砂を吐かせるのがベストです。そのためには、空のペットボトルを数本持参し、帰りに汲んできましょう。なお、あさりの腐敗を防いで、しかも海水を一緒に入れても水がこぼれない釣り用などの頑丈なクーラーボックスを利用するのも、とても良い方法です。
自宅に帰ったら、錆びついた釘やシャベルなど鉄分があるものを一緒に入れ、あさりが潮を吹いて周囲が濡れても良いように浴室などに置いて、やや暗くして振動を与えずにそっとしておけば、1時間くらいで簡単に砂を吐かせることができます。こうすると本当に簡単かつ確実に砂を吐かせることができます。
最後に、食べる前に、あさりの殻に砂などが多少付いているので、あさり同士をごしごしと擦って洗い、付着している砂を落としてしまいましょう。
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7.あさり料理
ワイン蒸し、酒蒸し、お味噌汁、ボンゴレスパゲッティー、むき身にすれば、あさりご飯、かき揚げてんぷら、などが定番です。
新鮮なあさりの味は、本当に格別です。潮干狩りとしては春から初夏がメインシーズンですが、実は水温が高まった夏には、あさりが丸々と大きく育ってとても美味しいです。干潮時に腰位まで海水に浸かりながら大粒のあさりを採ると、とても良いダシがでて本当に美味しいです。ただし、あさりは腐りやすいので、クーラーボックスに保冷剤などを入れて、あさりを弱らせることなく、早めに帰宅することが基本になります。
私は大あさりのワイン蒸しが大好きです。おっと食べたくなってきたぁ~!! 生唾、ゴックン!! どうぞ日本の楽しい伝統文化である潮干狩りを、存分にお楽しみください。
せっかく採ったあさりです。変わり種として、あさりと春キャベツのワイン蒸しはいかがでしょうか。
春キャベツのうま味と、アサリの出汁がしっかりと出たスープも美味しい、春を感じられる一品です。
あさりだけをワイン蒸しにして、後からキャベツを入れ、最後にワインビネガーとオリーブオイルをかければ洋風にチェンジ!
潮干狩りを思う存分楽しんだ後は、思う存分あさりを堪能しましょうね。
姉妹サイト「波伝説」でもあさりについて紹介しています↓
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