黒潮大蛇行について

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海流予想図 (6月30日)気象庁HPより

黒潮が大蛇行した状態が続いています。今回の黒潮の大蛇行は2017年の発生で、12年ぶりとなっています。

今回の大蛇行は2018年・2019年と続き、2020年6月現在、都井岬・足摺岬・室戸岬・潮岬では離岸して流れています。今後、7月中旬にかけても都井岬・足摺岬・室戸岬・潮岬では離岸し、伊豆諸島付近では三宅島付近を流れ、房総半島では接岸して流れる予想となっています。今後も10月まで続く可能性があるとのことです。

「黒潮大蛇行」が起きた場合、黒潮に近い海域では通常より潮位が上昇し、台風や低気圧が近づいた際などに、高潮が発生しやすくなります。

黒潮は暖流のために黒潮付近では、海水温が上昇します。また、黒潮の南側では水温が高く、北側では低くなる性質があります。このため、黒潮の大蛇行が発生すると回遊魚の漁場の位置が変化し、特定の魚種が不漁になることもあり、漁業に大きな影響が出る可能性があります。また、釣り船の航行等にも影響がでます。(ちなみに、黒潮の名前の由来ですが、黒潮は貧栄養であるためプランクトンの生息数が少なくて透明度が高く、海色が青黒色となるためだそうです。)

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1.黒潮が三宅島の北を流れる場合
2.黒潮が三宅島と八丈島との間を流れる場合
3.黒潮が八丈島の南を流れる場合
4.黒潮の位置
5.三宅島
6.八丈島
7.海面差;約1m

残念ながら、海快晴では海流情報を掲載していませんが、気象庁HP「日本近海の海流」から確認することができます。興味のある方は是非参考にしてください。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/shindan/c_1/jpn_jun/jpn_cur.html

文責 株式会社サーフレジェンド 気象予報士・防災士 唐澤敏哉

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