第1回「沿岸釣り人のキモチのいい釣り勉強会」のご報告

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勉強会
勉強会
日時:4月25日(日)午前9時〜午後2時30分
場所:神奈川県藤沢市江ノ島・神奈川県立女性センター

4月25日(日)に、藤沢市江ノ島内にある女性センターにて、釣り人に向けて、安全に釣りを楽しむための勉強会「第1回沿岸釣り人のキモチのいい釣り勉強会」が開催されました。

今回は、ひとりの釣り人が、常日ごろ釣りをしている中で、海という大自然の中でいかに安全に、そして楽しく釣りをしていくためには、安全性やルール・マナーなどの啓蒙がもっと必要だということを感じ、企画されたものです。また、いつも海にいる釣り人が「常に海やその周辺を監視している」という立場になれれば、というメッセージも込められているようです。そうした考え方に賛同した一般の釣り人が、今回は60名あまり集まり、西は関西からも多く来ていました。また、そうした企画を応援しようと、今回は、海上保安庁湘南海上保安署、江の島片瀬漁業協同組合、株式会社NTTドコモ、湾岸シーバスソサエティー、爆釣チャンネル、株式会社サーフレジェンドの協賛・協力のもと、開催されました。

今回、主として誰もが言われていたことは、最近急激に人口が増えているカヤックフィッシングにおいて、そのルールやマナーをもっと強く伝えていかないと、今後大きな事故などにつながる可能性が高い、ということです。風や波などの急変や、潮の干満などをあらかじめ把握しておかなければ危ないことや、漁船や船舶などからは非常に見えにくく、まったくの凪であれば別なものの、少しでも波や風があれば、その波の合間に入ってしまい、カヤックなどはまったく見えなくなってしまうということ、それにより、何回も危ない場面にも遭遇していることなどが話されました。そのためにもカヤックには1.5m以上の赤く目立つ旗などをつけることや、何かあった場合に備えてホイッスルの着用なども良い方法だということも発表されていました。

また、なかには、漁協が設置しているブイや定置網などの近くで釣りをしてしまっている人も多く、安全面や、マナー・ルールについての徹底の必要性が訴えられていました。

海上保安庁からの報告では、まだ多くの事故数ではないものの、カヤックでの事故については、最近急激に増えていて、ライフジャケットの着用や旗の装備などがあれば、事故防止や命が助かっていた可能性もある、ということも話されていました。さらに、明確な死亡事故にはならず、行方不明ということになってしまうと、その後に残された家族などにおいては、死亡認定までのハードルが高く、認定されるまでの手続きや時間、その間の費用などがかなりかかり、そうした面でも安全については、もっと真剣に取り組んでいかなければならないことが話されていました。

NTTドコモからは、相模湾などにおける海上での電波の交錯を解決し、海上で今まで携帯電話がつながりにくかった場所がほぼ無くなり、また、電波の発信距離が、昨年の11月までは3海里までであったものが、それ以上のかなり遠くまで発信できるように対応が実施されているようです。

また、キッズケータイや、GPS・防水機能付きの最近の携帯電話の中には、ワンプッシュで警報機が鳴るものもあり、それと同時にあらかじめ登録しておいた相手先に電話がかかり、現在の居場所が通知され、緊急通報・通話ができるものも紹介されていました。

株式会社サーフレジェンドからは、代表の☆加藤により、津波の恐ろしさについて、簡単にわかりやすく説明されていました。

津波は、他の風波とはまったく違い、たとえ数十cmでも、そのパワーと速さは、人間の能力を超えていて、人間の目で確認されてから逃げているのではすでに遅く、津波に飲まれてしまうことや、津波注意報や警報などの発令については、たとえ空振りであっても、十分な効力はあり、先日の2月28日に発令された津波警報についても、気象庁が前日から強く注意喚起を促し、当日も早めに発令した影響により、結果的に全国で一人の犠牲も出さずに済んだことが報告されました。

また、台風などについても近年、強大化してきていて、それによる被害の大きさは想像を絶する可能性があり、改めて気象情報の重要さについての説明がされていました。

今後、株式会社サーフレジェンドとしても、津波の恐ろしさや気象情報の早めの確認、判断、行動などについて啓蒙していきたいと考えています。

最後に、午後からは実際にいくつかの市販されているライフジャケットを着用して海に入り、どれだけ浮くのか、もしくは釣り用の装備(5kg相当の重量)をつけたライフジャケットについては、どれだけ効果があるのか、などを実際に実験する試みもありました。


写真1
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写真3
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実際には、どのライフジャケットも、かなり装備をしていても浮くことは浮くものの、泳ぐことは想定されておらず、流されてもそのまま救助を待つのみ、というものが多かったようです。また、少しの距離でも泳ぐことは困難だという感想もありました。ライフジャケットについては、十分な吟味してからの購入が良いことがわかりました。

今回の勉強会に出席し、釣りやカヤックフィッシングに対する安全性については、まだまだ訴求されていない部分が多く、それらについて、徹底したルールやマナーの啓蒙、安全性の啓蒙などが必要だと感じました。

また、もちろん、気象情報についても、細かく、高精細な気象情報を提供していく上で、海快晴としても微力ながら貢献していければと思っています。小川予報士

■スケジュール
9:00〜9:05 開会の挨拶(安部滋/レイヴン)
9:05〜9:30 カヤックフィッシングで死なないための基本的な考え方と具体的方策(加藤康一/フリーホール)
9:30〜9:45 港湾部、磯の釣りでの危険と対策(武田栄/Go-Phish)
9:45〜10:10 津波の危険性を再検証する なぜ即非難なのか(加藤道夫/株式会社サーフレジェンド)
10:10〜10:35 海での事故(佐々木将/海上保安庁湘南海上保安署)
10:35〜11:00 海上・沿岸エリア改善の取り組みについて(坂田修/株式会社NTTドコモ神奈川支店)/海難事故防止に貢献する携帯端末について(山中政志/ドコモ・モバイル株式会社)
11:00〜11:15 サーフでの釣りとウェーディング時の危険性について(市川正章/スキッドアシッド)
11:15〜11:20 漁業者から見た釣り人(江ノ島片瀬漁業協同組合)
11:20〜12:00 質疑応答
12:00〜13:00 休憩(昼食)
13:00〜14:00 落水と救助(佐々木将/海上保安庁湘南海上保安署)
14:00〜14:30 協賛費配布、記念撮影、閉会

■協賛・協力
海上保安庁湘南海上保安署
江の島片瀬漁業協同組合
株式会社NTTドコモ
湾岸シーバスソサエティー
爆釣チャンネル
株式会社サーフレジェンド

■お問い合わせ
有限会社レイヴン
rarararaven@ybb.ne.jp
090-3130-4570
担当:安部 滋


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