日本経済新聞「未来面」にてサーフレジェンド代表・加藤道夫の投稿が紹介

日本経済新聞社が読者や企業のみなさんと共ににつくっていく紙面“未来面”では、2020年に日本が「なくてはならない国」になるための具体的なアイデアを共に考え、テーマに対する意見を投稿できる。

2010年5月17日(月)掲載の第2回目の未来面のテーマは「世界一、世界人が多い国、日本へ」。日本が「世界一、世界人の多い国」になるためには、何をしたらよいか——。4月に募集したテーマに対して、読者から579件ものご投稿の中から、(株)サーフレジェンド代表・加藤道夫の投稿が紹介された。



日本経済新聞 2010年5月17日(月)掲載
未来面 第2回
世界一、「世界人」の多い国、日本へ。

日本経済新聞 編集委員 西條都夫

停滞を宿命と考えるのは

もうやめよう。

我々は忘れていないか。

世界を驚嘆させた時のことを。

今から10年ほど前、米経営学者のピーター・ドラッカー氏を西海岸の自宅に訪ねたことがある。当時も今と同じく日本の存在感低下が指摘され、「ジャパン・パッシング(日本素通り)」という言葉がしばしばメディアに登場した。「このまま日本は沈んでいくのでしょうか」。こちらの問いかけに、90歳を超えた碩学(せきがく)からは「大丈夫。時が来れば日本ほど大胆に変化する国はほかにない」という答えが返ってきた。

たしかその時、ドラッカー氏は明治維新や戦後の復興を例に話してくれたが、重要なのは個々の歴史的事象ではない。私たち日本人の奥底には、たぐいまれな進取の気性や挑戦心が息づいており、普段は目立たないが、何かきっかけがあれば驚くほどのエネルギーがあふれ出る。そんな「日本人観」を聞かされたことが新鮮だった。

「世界人」をテーマに、皆様から寄せられたアイデアに目を通す中で、頭をよぎったのがこの時のことである。「淡路島をアワジシティーに」「子どもオリンピックを」——大胆でありながら、決して実現不可能ではない示唆に富む提案が集まった。停滞を宿命と考える場所からは何も生まれない。世界に飛び込む勇気、世界を受け入れる勇気があれば、日本人は「世界人」に変身する。



●アイデア.551

「国際救助隊」

加藤 道夫(52) 神奈川県 会社経営

大航海時代に、スペインとメキシコの帆船が台風に遭遇し、和歌山県大島と千葉県御宿の岩礁に乗り上げた時、おぼれた水夫を漁村の女性が裸になって温め、保存食として蓄えていた米や鶏を差し出して多くの命を救っています。世界で唯一の被爆国であり、世界有数の地震発生源の上に住み、無償で救助するDNAを持つ日本人だからこそできるものは救助活動です。世界で大災害が発生した時に、相手国の要請がなくても自主判断で、全国から選抜された国際救助隊が緊急出動する。日本の武士道には刀を抜かずに争いを鎮める「鞘(さや)の内」という教えがあります。大災害の発生時に見返りを求めない救助活動は、外国から高い評価を受けるとともに、反目し合う民族間においても双方から信頼され、世界平和に貢献します。

◇日経電子版「未来面」
http://www.nikkei.com/mirai/

 

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