台風第21号は太平洋側では高潮にも注意[22日午後5時更新]

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22日(日)午後5時現在、超大型で非常に強い台風第21号(ラン)は日本の南海上を北北東に時速40キロで進んでいます。

台風は今後も北上を続け、23日(月)の未明から明け方に強い勢力で東日本に上陸する恐れがあります。

【台風進路予想】気象庁22日午後5時発表

【台風進路予想】気象庁22日午後5時発表

今回の台風は超大型で非常に強い勢力であることと、本州の南岸付近には前線がある影響で、台風本体が来る前から雨が降り、また強い風が吹き、海上では波高くなっています。長引く雨で地盤が緩むことでの土砂災害、川の増水や氾濫など厳重な警戒、注意が必要です。

さらに潮位が1年で最も高くなる時期にあたることと黒潮の大蛇行が発生していることや、満潮を迎える朝を中心に所によっては南寄りの風となる可能性もあることから、東海から関東の太平洋側では高潮にも警戒が必要です。

高潮は、主に次の効果により潮位が高くなる現象です。1つめは、吸い上げ効果と呼ばれる、台風や低気圧の中心の気圧が低いことで、気圧の高い周辺の空気が海水を押し下げ、一方、中心付近の空気が海水を吸い上げるように作用する結果、海面が上昇する現象です。気圧が1hPa下がると潮位は約1センチ上昇すると言われています。2つめは、吹き寄せ効果と呼ばれる、台風や低気圧に伴う強い風が沖から海岸に向かって吹くと、海水が海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇する現象です。この効果による潮位の上昇は風速の二乗に比例すると言われています。特に遠浅の海や、風が吹いてくる方向に開いた湾の場合、特に潮位が高くなります。

高潮になる原因[気象庁HPより]

高潮になる原因[気象庁HPより]

台風に伴う風は、進行方向に対して右側で強くなっています。このため、南に開いた湾の場合は台風が西側を北上した場合には、南風による吹き寄せ効果で高潮が起こります。次いで台風の接近による吸い上げ効果や、さらに満潮が重なると、さらに潮位が上昇し高潮の危険性が高くなります。

台風が接近すると、暴風、激しい雨、波しぶきで避難所へ移動することが困難になりますので、台風情報や高潮警報を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。

引き続き、台風情報や気象情報のほか、地元自治体などから発表される防災情報など十分に注意してください。

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