梅雨時期の釣りについて

Isaki0912

イサキ

平年では、大型連休が終わると沖縄では梅雨入りになります。その後、徐々に梅雨前線は北上し、5月末には九州、6月上旬には関東~四国・中国、6月中旬には東北でも梅雨入りとなります。

梅雨になるとジメジメと湿度が高くなり、雨の日も多くなるので、外出する気がなくなる方も多いかと思います。

しかし、梅雨期は決して釣りに適していないわけではありません。雨によって適当に海面が荒れるため、水中から陸上が見えづらくなる、サラシができて海中の酸素濃度が高くなるなど、釣果に良い影響があります。また、魚種によっては梅雨の時期がベストシーズンとなります。

イサキは産卵前で肥える必要があるため、活性化します。一方、クロダイやメジナ(グレ)は、春に産卵を終えて休息し、梅雨時期になると体力が回復して餌を摂取し始めます。他にもメバル・イワシ・サバなどが梅雨期に適していると言われているようです。

この梅雨期の釣行において、天気で気をつけなければいけないことがあります。雨で濡れることにとって足場が滑りやすくなるなどには注意が必要です。

さらに、この時期の気象で気にしなければいけないことは、はるか南海上に発生する台風でと梅雨前線の位置による風です。

まずは台風から。台風というと晩夏から秋のイメージがありますが、実は一年を通して発生しています。統計上もっとも早い台風は元日1月1日、遅い台風は12月30日に発生しています。晩秋~初夏にかけては、海水温が比較的に低いために台風はあまり発達することが少なくなっています。また、盛夏時は、海水温が上がって台風は発達しますが、強い太平洋高気圧に塞がれて北上してくることが少なくなっています。ただし、梅雨期には台風が北上してこなくても、台風の「うねり」が届くことがあります。はるか南海上の台風によって発生した「風浪」が、次第に「うねり」となって太平洋岸に届きます。天気図には台風がなく、風が強まる要素がなくても、「うねり」によって波が高くなることがあるので注意が必要です。一般的に、はるか南海上で発生した台風が、北緯20度付近にまで達すると、太平洋岸に「うねり」が入ると言われています。

続いて気をつけるのが梅雨前線を挟んで吹く風。梅雨前線は、冷たくて湿ったオホーツク海気団から吹く北東風と、温かくて湿った小笠原気団から吹く南風がぶつかった所に形成されます。言い方を変えると、梅雨前線の北側では北東風、南側では南風が吹いていることになります。この梅雨前線の位置ですが、現在の気象予報の技術では100%正確に予想することができません。ということは、南風の予想になっていても実際は北東風、北東風の予想になっていても実際は南風、ということがありえます。また、梅雨前線の南北への微妙な移動により、数時間で180度近く風向が変わってしまうことや、梅雨前線上に低気圧が発生・発達し、釣行の前後でまったく風速や風向きが異なるということもあります。

梅雨期の釣行時は、天気図上に現れてなくても台風情報を確認するようにしましょう。また、風の予想は常に最新の情報を確認するだけではなく、実際の現場で風向・風速が変化する兆候を見逃さないようにしましょう。

文責 株式会社サーフレジェンド 気象予報士・防災士 唐澤敏哉

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