☆加藤のコラム「【第2弾】被災地からのレポート4」

271_2.jpg

【最終リポート】

  4月12日(火)午後〜13日(水)の支援活動をまとめて、今回「【第2弾】被災地リポート」の最終回とします。

  釜石市内には51箇所の避難所があり、イオン、ユニクロ、イトーヨーカ堂など、大手企業から届いた大量の衣料品を届けるのが我々に課せられた仕事です。

  前日に引き続き2台で運んだため、結果的に湘南に帰るまでに51箇所すべての避難所に指定された衣料品を届けることができました。

小学校の3階に突っ込んでいた軽自動車
小学校の3階に突っ込んでいた軽自動車


とんでもない高さにあるガードレールに乗り上げた自動車

  市内の幹線道路を覚えたため、走行にも大分慣れました。支援衣料品は、ダウンジャケットをはじめとする防寒着、スウェットの上下を中心に、多少の子ども服、ベビー服、靴下などを、男女サイズ別に避難所の希望枚数になるようになるべく努力しました。

  企業からの支援衣料品の中心サイズであるMサイズのニーズはほとんどなく、LまたはLLサイズが中心で、3Lサイズを求めるニーズも決して少なくありませんでした。

  津波による被災者には、漁師さんご夫婦が多いためか、皆さん肩幅が広くてチョッピリお腹が大きいため、Lサイズでもまだ小さいと言う方が多かったようです。

  市内にある大中小の避難所それぞれで、かなりニーズが違っていました。

  お年寄りだけの避難所がある一方で、赤ちゃんがいるところ、支援物資が豊富になりすぎて置く場所がないところなど、それぞれ千差万別でした。何度も言いますが、共通点はみなリーダーのもと、仲良く秩序を保って力を合わせて明るく避難生活を過ごしていることでした。




  ある避難所では、リーダーの提案により集合住宅の1階の空き部屋を、経験がある奥さんの力を借りてブティックのようにしていました。必要な物を自分の好みで選べるので、奥さま方に大変好評だとおっしゃっていました。

ブティック「避難所」

  ただし、そうした例は稀(まれ)で、避難所ごとに全被災者の、性別、年令、サイズ、デザインの好みなどをデータベース化ができれば、かなり喜ばれる支援物資が運べると思いました。

  ヤマト運輸が、支援物資の配送に応援車両と、整理スタッフを配置したとの報道がありました。釜石市の支援衣料品の集積場所では見かけませんでしたが、とても素晴らしいサポートだと思います。

  すべての運搬が終わり、お世話になった佐々木透さんや佐々木さんのお母さんらにお礼のご挨拶を述べてから、少し遅い昼食を近くのお蕎麦屋さん「更科」で取りました。

  ここは釜石ラーメンも食べられて、お蕎麦もラーメンも丼も、とても美味しくてお薦めの店です。

  我々の一人が置かれていたフリーペーパーを見て、「この表紙の人、杉本浩プロですよ!」と叫びました。被災前に、地域の著名人としてインタビュー取材を受け、発行された最新号でした。

復興前のフリーペーパー最新号のカバーは、なんと杉本プロ
復興前のフリーペーパー最新号のカバーは、なんと杉本プロ


  意地悪なインタビュアーの質問で「女性の好みは?」の問いに、「奥さんに決まっているじゃないですか!」の答えにスタッフ一同が笑いましたが、私は「杉本君、この返答、私も使わせていただきます」と心の中でつぶやいたのでした。

  いま東北自動車道に入る手前ですが、これから釜石を含めた東北の被災地で、訪れる度に街のガレキ撤去が進んでいると思います。問題は、子どもが将来に希望を抱けるような、街の復興と発展です。

町役場まで大津波に流された大槌町の中心部

  先ほど、お蕎麦屋さんの近くの酒屋で、「浜千鳥」という佐々木家のすぐ近くで造られている地酒を買いました。もしも商品を購入する際には、ぜひ東北産ブランドを選んで、少しでも復興の手助けになればと思っています。

  杉本君とは、かつて波伝説の北スマトラのシューティングに参加して頂いた仲です。

  何年かたち、杉本君が浪板海岸にサーフショップの再建を終え、福島右田浜の鈴木さん、荒浜の残間さん、仙台新港の熊谷さん、そして菖蒲田浜の星さんなど、被災されたすべてのサーフリポーターの皆さまとご一緒に、一昨年インドネシアパダン港で被災して、今は見事復活したスマトラサファリのAKIさんらの船で、ボートトリップにお連れするのが私に課せられた復興ミッションです。

  レポートの結びとして、透さんから教えて頂いた釜石市の防災教育の一つを紹介します。

  津波から避難する際の合い言葉「おはしも」とは、

お…押さない

は…走らない

し…しゃべらない

も…もどらない

  特に、貴重品や写真を取りに帰った時に第二波、第三波の津波の犠牲になった方が多かった、『もどらない』は、とても重要です。おわり

最近の記事

関連する記事