『悲しい海のアクシデントを防ぐためにVol.1』

イギリスの舞台「Fantasticks」(6/26で終了)で海外でも評価された演出家の宮本亜門氏の亡きお母様の口ぐせは、「今生きているってすごいことなのよ!!」であると某新聞のインタビューで知りました。含蓄(がんちく)のある深い言葉だと思います。
先日、「海快晴」の兄弟サイトである「波伝説」ユーザーの方からあるメールを頂きました。その方の知り合いであるサーフィンのインストラクターが、スクール中に同時にテイクオフした生徒と交錯してしまい、バランスを崩してインサイドの浅瀬に頭部を強打し、頸椎損傷による下半身不随の痛ましい事故に遭われてしまったとのことでした。
 サーフィンやマリンスポーツのハイシーズンを前に、離岸流や混雑時の接触事故のみならず、頸椎損傷などのリスクマネージメントなどについて、ぜひユーザーの皆さまに伝えて欲しいという内容でした。
 実は私も、かつて大けがになりかねない大失態を侵しています。鎌倉の某ポイントで、十分にサーフィンを楽しんで、最後の一本を乗ってこれで海から上がろうとしたら、最後のアクションに失敗してショアブレイクに巻かれてしまいました。幸いケガはなかったのですが、髪の毛の中まで砂まみれになりました。『カッコワル〜!!!』別に多くの人に見られた訳ではありませんが、頭の中は恥ずかしい気持ちに支配されてしまいました。リーシュを外してサーフボードを浜に置いてから、髪の毛と身体を洗うために、また今度こそカッコ良い所を周囲に見せつけたいと、海に向かってダッシュして頭から勢いよく飛び込みました。飛び込んだ場所は、何年も常にカレントが発生する深い場所です。『ガッツーン!!!』頭の中に閃光(せんこう)が走り、全身がしびれて身動きがとれません。そして何よりも『何が起きたのかが、まったく理解ができません!!』
飛び込んだ場所は、たまたまサンドバーができていて、私は深くダイブしたために、そのサンドバーに頭から鋭角に衝突して、頸椎・腰椎の両方を痛めてしまったのです。かつて、バイクの“巻き込まれ”事故に遭い、1年間サーフィンを棒に振るほどの頸椎捻挫(むちうち症)と左手2か所の骨折の重傷を負ったうえでの激突アクシデントだったので、ダメージが激しく、浮いているのが精いっぱいでした。ライフガードの経験などがあったため、スカーリングなど手先の動きだけで身体を反転させ、浮き身を取って呼吸を確保し、少しずつ回復するのを水面上で冷静に対処できたのが結果的に良かったです。奇跡的に致命的なダメージにはならず、その後に医者や整体に通院はするものの入院するまでには至りませんでした。本当に事故とは『予想できない時に事故になる』、正にその典型的なアクシデントでした。つづく。

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