岩手・浪板 杉本氏より「現地からのレポート4」

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 岩手・浪板ポイントの波情報をいただいている、K-SURFの杉本浩プロよりレポートが届きました。



 震災当日の様子や現在の復興の様子など、レポートが届き次第、順次掲載させていただきます。





 震災から10日、電気が通った。

 電気が通って初めてテレビで震災の状況を知った。

 あまりの惨劇に言葉も出ない。

 出るのはため息と涙だけ。

 雪が降って寒いので、コタツで暖をとる。

 炊飯ジャーでご飯を炊く事ができる。

 電子レンジも使える。

 普通の事がとても幸せに感じる。

 これで少しは人並み? と思い、娘を迎えに行った。



 水が出たのは、4月に入ってから。

 それまでは毎日山へ水くみの日々。

 沢水をそのまま飲んだので、いつかピロリ菌検査をしないと……。



 水と電気は通ったものの、しばらくでなかった水道からの水は汚い。

 洗濯機は壊れてしまい、修理を頼んでも沿岸の修理屋も被災。内陸の担当者は被災地にはしばらく行く予定が無いと……。

 しばらくの間、川向こうの町のコインランドリー通い。



 水がきてもガスが来ないとお風呂には入れない。

 銭湯は激混みで、仲間の家のお風呂を借りに行き、それでも3日に1回くらい。

 こんな時でもお風呂を貸してくれる仲間は、本当にありがたかった。



 ずっと休みだった学校も4月下旬から始まった。

 ガスが来たのは5月のはじめ。

 ガス屋さんが家に来た時は、家の中で拍手が起こった。

 待ちに待ったガス。

 これでお風呂に入れる。

 ガスとはいっても、今は臨時の集団プロパン。

 都市ガスに戻るのはいつの事やら。



 少しずつ少しずつ、元の生活に戻れるのかな?



浪板海岸

 あまりの惨劇に震災直後はここを離れる事も考え家族で話し合った。

 でも、スーパーから物が消え何も買えない状況の中、私たち沿岸の仲間のために内陸の仲間たちが物をかき集め、交通状況も良くない中届けに来てくれた。

 遠くから全国のサーファー仲間が来てくれた。

 本当に命がけだ。

 心から仲間の温かみを感じ、この仲間たちのためにここで復興を頑張ろう! 

 そう決意した。


杉本浩プロ
杉本浩プロ



 つづく……



岩手県・浪板

K-SURF 杉本浩

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