『降水確率とは?上手に使って役立てよう!』海快晴気象予報士のコラム vol. 1

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日頃、「今日は雨が降るのか」を気にされる方は多いでしょう。
帰るころに傘は必要か、洗濯物を干したまま外出しても大丈夫か、など日常生活で雨を気にするケースはたくさんあります。

そんなとき、「降水確率」を判断材料にする方も多いのではないでしょうか?
「海快晴気象予報士のコラム」vol. 1では降水確率を見るうえで大切な視点を解説しつつ、上手な活用方法をお伝えできればと思います。


降水確率の大切な視点① 「雨が降る」とは

降水確率予報では「一定の区域で一定時間に降水量にして1mm以上の雨もしくは雪が降る」状態を「降水」としてカウントします。
逆にいえば、雨が降っても1mm未満の場合は「降水」にカウントされません。

「雨が降っている」「降っていない」の感じ方は人によって違うかもしれません。
判定する基準がバラバラだと困ってしまうため、数値で「1mm以上の雨が」という基準を設けています。


降水確率の大切な視点② 「いつ」「どこで」雨が降る確率なのか

気象庁の2日先までの天気予報では「予報区内」で1mm以上の雨が降る確率を「6時間ごと」に区切って発表しています。

ここでの「予報区」とは、各都道府県をいくつかに分けた区域(いわゆる一次細分区域)です。
神奈川県の場合は「東部」と「西部」に区分けされています。

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気象庁HPより

気象庁の実際の予報画面を見てみましょう。

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気象庁HPより加工して作成

各予報区(神奈川県の場合は東部と西部)ごとに6時間毎の降水確率が表示されていますが、自分がいるピンポイントの降水確率ではなく、自分がいる予報区一帯の降水確率である点に注意しましょう。

例えば神奈川県藤沢市と神奈川県横浜市は同じ「神奈川県東部」に区分けされているので、藤沢で雨が降っていなくても横浜で雨が降っていれば予報は的中したことになります。

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気象庁HPより、加工して作成

※天気予報の発表区域は気象庁のHP(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/saibun/index.html)をご確認ください。


降水確率の大切な視点③ 降水確率0%なら雨は降らないのか

降水確率が0%だったとしても、絶対に雨が降らないわけではありません

降水確率は「過去に同じような大気の状態だった場合、これくらいの確率で雨が降りましたよ」という統計的な数字を示しています。

例えば降水確率30%だった場合、「過去に同じような大気の状況が100回あり、そのうち30回は雨が降っていましたよ!」ということを意味しています。

過去のデータに基づいて統計的に算出された確率のため、「降水確率0%=絶対に雨が降らない」わけではないのです。
(とはいえ、降水確率0%であればまず雨は降らないと思いますが…)


降水確率の大切な視点④ 降水量や降水強度は予報していない

降水確率は「雨の降りやすさ」を伝えているだけです。
降水量や降水の強度、雨が降り続く時間を予想するものではない、という点には注意が必要です。

「降水確率が30%だから降水量は少ない」
「降水確率が80%だから強い雨が降る」

という解釈は誤りですので、注意してくださいね!

ちなみに気象予報士試験の正誤問題で「降水確率が100%の場合、予報の対象期間中ずっと雨が降る」のは〇か×かという問題が出題されたことがあります。
降水確率では雨が降り続く時間は予想していませんので、答えはもちろん×です。




気象予報士直伝!?降水確率の上手な使い方

突然ですが問題です。
6~12時の降水確率が30%、12~18時の降水確率が30%だったとします。
この場合、6~18時の12時間に雨が降る確率はどれくらいでしょうか。

①9% ②30% ③51% ④60%

 
 
 

答えは②の30%…ではなく③の51%です!

ちょこっと解説
雨が降る確率が30%なら、雨が降らない確率は70%です。
よって、6~12時、12~18時のいずれの時間でも雨が降らない確率は0.7×0.7=0.49=49%です。

6~18時の間で雨が降らない確率が49%なら、6~18時の間で雨が降る確率は51%ですね。

30%の降水確率なら外出の際に傘を持つか迷うところですが、51%なら折り畳み傘を用意したほうがよさそうだと判断できますね。

おまけ

場合分けが必要で少しめんどくさくなるので「雨が降らない確率」を考えましたが、直接計算することもできます。

①6~12時、12~18時のいずれの時間でも雨が降る場合
0.3×0.3=0.09=9%

②6~12時に雨が降り、12~18時には降らない場合
0.3×0.7=0.21=21%

③6~12時には降らないが、12~18時に雨が降る場合
0.7×0.3=0.21=21%

①~③は同時に起こらない現象(互いに排反)なので、6~18時に雨が降る確率は①+②+③=51%

このあたりの考え方は数学の確率の問題と同じです。

 
 
なお、「海快晴」では6時間先までの1時間ごとの降水分布の予報と、72時間先までのピンポイントの1時間降水量予報を表示しています。

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降水予報はこちら

降水確率を補完する情報として、ご活用いただけますと幸いです。

予報を上手に使って、安全で楽しいマリンレジャーにしましょう!

※独自で降水確率を算出・表示しているサービスもあります。サービスによっては仕様が異なる場合がありますので、詳細はご利用のサービスの運営会社にご確認ください。

文責:株式会社サーフレジェンド 気象予報士 塚本 陸


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